交際終了の理由
結婚相談所での交際が終了するときは、理由をお聞きするのがスタンダード。金銭感覚の違い、結婚観フィーリングなど色々な理由がありますが、女性から男性へのお断りの理由の多くは、ペースが合わないから。
ペースが合わないと、どちらか一方、特に”ペースが遅い方”が何事においても負担に感じる。ということは、想像に難くないと思います。
例えば、歩くペース。
デートしているのに、サッサと歩いて行ってしまって、置いていかれるのは、悲しくなります。多くのケースで男性の方が歩幅も広くて、体力もあるので、よく
「彼がどんどん歩いて行ってしまうので、デート中追いかけるの必死だった。」
なんていう女性からのお声を聞きますよ。
そういう時、女性の希望はシンプルで
【パートナーと並んで、ゆっくりとお話ししながら歩くこと】
なのです。同じ速さでゆっくり歩けば歩きながらお話もできますし、もしかすると自然な流れで手を繋ぐこともあるかもしれません。でもサッサと先へ先へと行って置いていかれると、会話もできず、それどころか疲れるし寂しい気持ちになるのです。
男性はこのことをよく理解しておいてほしいものです。
食べるペースも合わせて
先日も女性会員様からのご相談がありました。交際相手の男性について
「いい人だし、尊敬できるけど、彼と一緒に食事をするのがつらいんです」
というのです。「どういうこと?」とお尋ねすると、
彼はレストランやカフェで料理が運ばれてくると、脇目も降らずに食事に集中。ほぼ何も喋らずに、すごい速さで食べるので、すぐに食べ終わってします。そして気がつくと、自分がひとりでポツンと寂しく食べることになる。というお悩みでした。
それだけでもきついのに、さらに
「結局、私が食べているところじっとみられる羽目になるので、恥ずかしいというか、いたたまれないというか、、まるで居残りの給食のようでとにかく苦痛なんです。食べ物が喉を通らなくなってしまいます。」
彼女の場合は恋愛経験がほぼない、という事情もあって、二人きりでの食事に慣れていないという背景もあったのでしょう。ですが実は、結婚相談所で婚活をしているかなり多くの女性が、恋愛経験がないか非常に少ないのです。高校時代から女子校で、女性ばかりの職場で働いていたり、実家が厳しいおうちの箱入り娘というケースも多々あります。
一方で、販売や店舗スタッフ医療関係者など、お客様相手の仕事は早く食べる習慣が染み付いていたりもします。私も長年ジュエリーの店舗で働く経験をしたので、すっかり急いで食べる癖がついてしました。
ここで大切なことは、とにかくゆっくり食べることがいいのではなく、基本的に女性のペースに合わせること。女性はペースが合わないと、結婚をイメージできず交際を継続することが、難しいのです。
早口でお断りされるオタク男性
こんな例もあります。とてもインテリでお上品なのですが、オタク気質な男性会員様の例です。
とても礼儀正しい人なのですが、お見合いで自分の趣味の話になると途端におしゃべりになる、という方がいました。彼は、アニメが好きなので、話題がアニメ関連のことになると熱弁してしまうのでした。
熱弁するだけならまだしも、とても早口で喋るので聞き取れないし、「え?今なんて?」と聞きかえす暇もないくらい、あっという間に次の話題に移ってしまうので、女性が置いてけぼりを喰らうのでした。
男友達・オタク仲間と話す時は、そのペースで全然通用するそうで、そのためか、最初は気をつけていても交際が進んで慣れてくると、「ゆっくり話すを意識すること」を忘れてしまい、いつもの早口マシンガントークをかまして、交際終了。しまった!と思った時はもう遅く、
交際していた女性会員様からは
「なんだか人が変わったようで、怖かったです。交際終了でお願いします」
と言われていました。
これを治すのはなかなか至難の業で、日常的な会話からゆっくり話ことを心がけるほかなく、一緒に住んでいるご家族にもご協力をいただいて改善したものです。
でもその甲斐あって、めでたく真剣交際へ進み、少しずつお互いの心地よいペースを掴んでプロポーズへと辿りついたのでした。
他にも、交際温度感がいきなり爆上がりしてしまう、という「気持ちのペース」が早すぎる人もいます。
結婚を急ぐあまりペースが早すぎる
多くのケースで、男性は、お顔が好みで自分に好意的な言葉掛けや笑顔があると、真剣交際を意識する傾向が強めです。
一方で、女性は2、3回のデートではまだまだお相手を審査している状態。
よくある、交際中は優しかったけど、結婚したらDV夫に豹変した、といったトラブルを絶対避けたいと思っている女性は、目の前の男性がどんなに優しくて、親切にしてくれても、「何か裏があるんじゃないだろうか?」とか「他の女性にも親切にしているのかも」と考えて簡単には結婚に飛びつきません。
それなのに、男性から、
早く結論を出してほしい
早く一人に絞って真剣交際へ進みたい
とプレッシャーをかけられることを恐れます。
個人差はありますが、最低でも5、6回程度会ってみて初めて真剣交際へすすんでもいいかも、と思う女性が多いのです。人によっては10回でやっと打ち解ける方もいます。ところが、結婚相談所によっては、2回目のデートで決断を迫り、3回目のデートで告白、すぐ真剣交際に入り他の異性とは会えなくするというケースもあります。基本的にそれは結婚相談所側の事情を押し付けているだけなので、私は感心しませんが。
早すぎる決断は失敗の元
そもそも結婚は、うまくいけば30年40年、それ以上に連れ添う、長期的な関係を作るものです。ですので、とかく急げばいい、というものではありません。とはいえ、交際3ヶ月の間には結婚を視野に入れた交際を続けるかどうか、ご成婚を検討することにはなるのですが、十分に話合えていないのなら、無理には勧めません。
いずれにしても、出会ってすぐに結婚したがる人に限って、
・プロフィールに嘘の記載がある可能性
・バレたら断られるような秘密がある
などで、バレないうちになんとか話をまとめてしまおう、という意識が働くようですよ。
そんな秘密なんてありません。早く子供が欲しいだけ!
という方こそ、信頼できない人と大急ぎで結婚し、バツイチになって苦労するくらいなら、3ヶ月の間辛抱して、しっかりペースを合わせてくれるパートナーを見つけてね、とお伝えしています。
まとめ:ペースを合わせることが結婚生活
ペースを合わせるのは、何も交際中に限ったことではありません。結婚したら毎日の食事やお散歩、話すスピードなどペースが合わないことが夫婦間のひずみにまで発展しかねないから、うるさくいうのです。
たとでばお嫁さんが2時間かけて作った手料理を、5分で物も言わずに飲み込むように食べられたらどう思うでしょうか?
幼い子供の手を引いて、お嫁さんがよちよち歩いているのに、自分だけさっさと先へ進んでしまう夫をどう感じると思いますか?
結婚後の住まいや、新婚生活のあれこれをじっくり吟味して考えたい女性に、一緒に悩んであげる姿勢を見せずに「なんでもいいから早く決めろよ」なんていう姿勢を見せたら、あっというまに険悪になります。
婚活での振る舞いは、結婚後の振る舞いのシミュレーション。女性たちはそう思って男性をみているのに、お嫁さんという成果物を手に入れることに躍起になる男性が多いように感じます。心を通わせ、ペースを合わせる、この心構えがスムーズな婚活を可能にし、結婚後も円満な家庭を築く礎となるでしょう。

